事件の発端と経過報道
露鵬、白露山 嫌疑報道
◆2008年9月2日 (時事通信より抜粋)
日本相撲協会は2日、抜き打ちの尿検査で露鵬と白露山から薬物の陽性反応が出たと発表した。
◆2008年9月2日 (毎日新聞より抜粋)
大相撲幕内力士の露鵬(28)=西前頭3枚目、本名ボラーゾフ・ソスラン・フェーリクソビッチ=と、十両力士の白露山(26)=東十両6枚目、本名ボラーゾフ・バトラズ・フェーリクソビッチ=の兄弟力士が大麻を所持し使用していた疑いが強まり、警視庁は2日夜、それぞれが所属する大嶽部屋(東京都江東区)と北の湖部屋(同)など3カ所を大麻取締法違反(所持)容疑で家宅捜索した。日本相撲協会が同日実施した抜き打ちの尿検査で陽性反応が出ていた。
警視庁によると、大麻取締法には大麻を使用しただけでは罰則規定がないため、所持を裏付けるため捜索に入ったとみられる。捜索は2日夜から3日未明にかけて行われたが、大麻などは見つからなかったという。また、同日夜、2人から事情聴取したが、大麻の所持と使用のいずれについても否定したという。今後は同じロシア出身で、交友のあった若ノ鵬容疑者からも詳しく事情を聴く。
◆2008年9月2日 (毎日新聞より抜粋)
2日に行った日本相撲協会の再発防止検討委員会の薬物抜き打ち尿検査で、若ノ鵬と同じロシア出身の露鵬(28)=大嶽部屋=と、十両の白露山(26)=北の湖部屋=の兄弟から、大麻使用の陽性反応が出た。警視庁も2人が所属する部屋に相次いで家宅捜索に入った
再発防止検討委員会は若ノ鵬逮捕直後の8月19日に、若ノ鵬と同郷のロシア出身力士全員の事情聴取をしたばかりだった。協会のアンチドーピング委員も務める大西祥平・慶大教授は会見で「直前まで使用していたとみられる」と話しており、教訓が全く生かされていない状況を露呈した。
2日午後1時から、大麻、覚せい剤(メタフェタミン、アンフェタミン)の3種を検出するための尿検査を十両以上の関取69人に対して実施した。その結果、露鵬と白露山について大麻について陽性反応が出たという。露鵬と白露山は「検査に納得できない。身に覚えがない」として再検査を要請。露鵬は3回、白露山は2回同じ検査をしたが、いずれも陽性となった。この段階で、警視庁に通報し、さらに精密な検査をした。覚せい剤の成分については反応がなかった。
精密検査の結果については、早ければ48時間以内に結果が出る。尿検体は警察からの要請があれば提出するが、大西委員は「ここ2〜3日での使用でないと簡易検査では出ない」と、直近での使用の疑いを示唆した。
露鵬の師匠・大嶽親方(元関脇・貴闘力)は「まだ報告を受けていない」と話し、白露山の師匠・北の湖理事長は「以前に調べた時には何もなかったのだが」と話した。
◆2008年9月3日 (産経新聞より抜粋)
露鵬、そして北の湖部屋の白露山の大麻陽性反応に、関係者からは落胆と批判の声が相次いだ。
日本相撲協会外部有識者委員の漫画家、やくみつるさんは「薬物検査は相撲協会がこれ以上、危惧(きぐ)されるようなことはないことを証明しようと行った。にもかかわらず本当に出てしまった」と驚きを隠さない。
「(時津風親方らの)暴行事件はある意味、相撲界の体質として起こりやすいともいえたが、今回は完全に社会の外部からの力に取り込まれている。北の湖理事長は、次に公の場に出てくるときは辞表を携えていないといけない」
大相撲解説者の北の富士勝昭さんは「露鵬と白露山の2人は元若ノ鵬と親密だったから、『大丈夫だろうか』と一抹の不安はあった。協会は抜き打ち検査を続けるべきだ」と強調。「なぜこんな事態に陥ったのか」と嘆くスポーツ評論家の玉木正之さんは「角界は日本の伝統文化の後継者を育てているという自覚がない。強ければよいという体質の表れだ。あきれてかける言葉もない」と突き放した。
これに対し、北の湖理事長(元横綱)は同夜、「(弟子の)白露山は2週間前に(警察から)事情聴取されたときに何も言われなかったが、(きょうの)検査でちょっと出たようだ。疑いがあるというなら、よく調べてもらえばいい」と語った。
◆2008年9月3日 (毎日新聞より抜粋)
大相撲幕内の露鵬(28)=大嶽(おおたけ)部屋=と、白露山(26)=北の湖部屋=の兄弟力士から大麻の陽性反応が出た問題で、白露山は、家宅捜索が終わった後の3日未明、北の湖部屋前で取材に応じ、「絶対にそういうことはしていない」と大麻所持、使用の疑惑を全面否定した。
若ノ鵬容疑者の逮捕に関連して警視庁の事情聴取を受けたことに触れ、「2週間前に警察でDNA検査を受けた時も、何もなかった。(2日夜に自宅)マンションも調べられたが、何も出ていない」と厳しい表情で語った。
2日に行った尿検査で陽性反応が出たことについて、「間違いということもあると思う。もう1回検査を受けても構わない」と釈明。副流煙(他の者が吸った近くにいて、2次的に煙を吸う場合)を吸った可能性についても、「ない」と断言した。
一方、露鵬も3日朝、大嶽部屋前で会見した。浴衣姿の露鵬は「心配を掛けて、申し訳ありません」と頭を下げた後、「(大麻を)見たこともないし、もちろん触ったこともない」と、弟の白露山と同様に否定した。
尿検査で陽性反応が出たことに関し、「(モンゴル)巡業(8月27、28日)の前に腰が痛くて、痛み止めの注射をしたり、薬は飲んだ」と話し、「信用できる他の病院でもう一度検査したい」と訴えた。
◆2008年9月3日 (時事通信より抜粋)
大麻の陽性反応が出た大相撲の幕内露鵬の師匠大嶽親方(元関脇貴闘力)は3日、東京都江東区の大嶽部屋で報道陣の取材に応じ「本人はやってないと言う。自分も大事な子供(弟子)を信じている」と時折、言葉を詰まらせながら語った。
◆2008年9月3日 (時事通信より抜粋)
大相撲の幕内露鵬と十両白露山に尿検査で大麻の陽性反応が出た問題で、日本相撲協会は3日、専門機関で行う検体の分析結果が判明するのが早くて5日になるとの見通しを明らかにした。
◆2008年9月4日 (スポーツニッポンより抜粋)
ロシア出身力士の大麻吸引疑惑発覚から一夜明け、日本相撲協会には抗議電話が殺到し、職員が対応に追われた。内容のほとんどは力士への不満ではなく、北の湖理事長に関するもの。「これだけ問題が続いたのだから言い逃れできない」や「これまでの不祥事でも常に師匠と弟子の問題と言ってきたのだから、今回は自身もけじめをつけるべき」など、責任を問う声ばかりだった。
◆2008年9月4日 (毎日新聞より抜粋)
大相撲の露鵬(28)=大嶽部屋=と白露山(26)=北の湖部屋=兄弟の大麻使用の陽性反応問題で、日本相撲協会は4日、精密分析のため都内の検査機関に2人の尿サンプルを送付した。検査機関では結果判明は早くても8日、詳細な分析が必要な場合、10日まで延びるとしている。
◆2008年9月5日 (スポーツニッポンより抜粋)
大相撲の幕内・露鵬と十両・白露山がマリフアナに陽性反応を示した問題で、日本相撲協会の北の湖理事長(55=元横綱)が今月予定の臨時国会で参考人招致される可能性が出てきた。相撲協会を監督する文部科学省の松浪健四郎前副大臣(61)が4日、自身が委員を務める衆議院の文部科学委員会に理事長の出席を求める考えを示唆した。松浪前副大臣はまた、信頼回復のために理事長の辞任も求めた。
◆2008年9月6日 (スポーツニッポンより抜粋)
幕内・露鵬(28=大嶽部屋)と十両・白露山(26=北の湖部屋)の兄弟からマリフアナの陽性反応が出た問題で、日本相撲協会の年寄会(朝日山会長=元大関・大受)は6日、東京・両国国技館で異例の臨時総会を開き、対応を協議することになった。意見をまとめ、協会幹部に提案する予定だが、北の湖理事長(元横綱)の進退を問う可能性もある。出席者から厳しい指摘が出た場合の、北の湖理事長ら協会幹部の対応が注目される。
◆2008年9月6日 (毎日新聞より抜粋)
大相撲のロシア出身兄弟力士、幕内の露鵬と十両の白露山の大麻使用疑惑で、東京都内の専門検査機関に依頼していた両力士の尿サンプルの精密検査の結果、当初の簡易検査と同じく大麻への陽性反応が出た。関係者が6日、明らかにした。
◆2008年9月6日 (時事通信より抜粋)
大相撲のロシア出身兄弟力士、幕内露鵬と十両白露山が、ドーピング(禁止薬物使用)検査機関による尿検体の精密分析でも大麻に陽性反応を示したことを受け、日本相撲協会は6日、両力士らの処分などを話し合う臨時理事会を8日に開くことを決めた。続いて評議員会を開き、役員以外の親方らにも経緯などを説明する。
臨時理事会では両力士らへの処分が決まる見通しで、白露山の師匠でもある北の湖理事長(元横綱)の進退問題に発展する可能性もある。
◆2008年9月6日 (産経新聞より抜粋)
精密検査でも大麻使用の陽性反応が検出されたとの一部報道を受け、露鵬は6日正午すぎ、東京都江東区の大嶽部屋で約10分間会見した。部屋前に机を並べて行われた異例の会見で、師匠の大嶽親方(元関脇貴闘力)、部屋の顧問弁護士と並んで臨み、「(検査結果を)絶対に信用しない。絶対に(大麻を)やっていない」と、改めて潔白を訴えた
◆2008年9月6日 (読売新聞より抜粋)
大相撲の幕内力士の露鵬と十両の白露山が、専門検査機関による尿検体の分析結果でも大麻吸引の反応が出た問題で、日本相撲協会は8日、両国国技館で再発防止検討委員会と理事会、評議員会を開き、力士らの処分を含めた対応を検討する。
白露山の師匠でもある北の湖理事長の進退を問う理事もおり、協会、理事長ともに厳しい対応を迫られる。
◆2008年9月6日 (産経新聞より抜粋)
露鵬と白露山から大麻陽性反応が出たことに、警視庁は「クロ判定は織り込み済み」と受け止めている。しかし、大麻取締法は大麻の「所持」は禁止しているものの、「使用」を禁じる条文はない。警視庁は今回の結果を受け、改めて両力士から任意で事情を聴く方針だが、両力士の関係先から大麻所持の証拠となる大麻や吸引具が見つかっていないことから、両力士の強制捜査は難しい状況だ。
2日夜、両力士から任意で事情聴取。露鵬が所属する大嶽部屋と白露山が所属する北の湖部屋、自宅マンションを家宅捜索したが、両力士は大麻使用を否定し、大麻を所持していたと疑われる証拠物も出てこなかった。
同じ禁止薬物の覚醒(かくせい)剤の場合、尿検査で覚醒剤成分が検出されれば、覚せい剤取締法違反(使用)容疑に問える。だが大麻の場合、尿から成分が検出されても、それだけでは罪に問えない。「尿検査による成分検出は、本人が大麻所持を否認した場合の補強材料にすぎない」(薬物犯罪に詳しい弁護士)のが現実だ。
ある捜査幹部は「大麻成分を特定でき、どのくらいの量かもわかる専門機関による検査なので、結果は証拠となり得る。しかし、モノ(大麻)の押収がないままでは逮捕する事案にならない」と話す。
◆2008年9月7日 (サンケイスポーツより抜粋)
6日、役員以外の親方衆は東京・両国国技館で臨時の年寄総会を開き、速やかな理事会と評議員会の招集を協会執行部に申し入れ、これが受け入れられた。8日に行われる理事会では、両力士に対し解雇を含めた厳しい処分が検討される見込みだ。
相撲界を揺るがす非常事態に、親方衆がついに立ち上がった。両国国技館で開かれた臨時の年寄総会。役員を除く79人の親方が出席し、ロシア出身関取の大麻疑惑について激論を交わした。
“疑惑力士”とその師匠への風当たりは強く、北の湖理事長(元横綱)への辞任要求は時期尚早として決議されなかったが、早期の理事会開催を伊勢ノ海理事(元関脇藤ノ川)ら協会執行部に要請。意見は理事長にも伝えられ、8日に今後の対応を協議する理事会を開くことを決めた。
◆2008年9月7日 (産経新聞より抜粋)
ロシア出身の幕内露鵬(28)と十両白露山(26)が尿検体の精密分析で大麻に陽性反応を示した問題で、日本相撲協会は8日、東京・両国国技館で臨時の理事会を開き、両力士を解雇とする処分を決めた。
この問題で白露山の師匠で同協会の北の湖理事長(元横綱)は協会トップとしての責任は免れないとして辞任した。
同協会では理事会に先立って精密分析を依頼したドーピング(禁止薬物使用)検査機関の分析結果を確認するための再発防止検討委員会を開催。両力士は弁明などのために出席していた。
◆2008年9月8日 (日テレニュースより抜粋)
精密検査で大麻の陽性反応が出たことを受け、日本相撲協会に解雇されたロシア出身の力士・露鵬関(28)が8日、NNNの単独電話インタビューに応じ、「陰謀だ。この世界はあまりにも汚い」などと語った。
露鵬関は「新理事長になった武蔵川親方一派の陰謀だ。私は最後まで無実。私は謝ってほしい。私はどんなに謝罪されても相撲界に戻るつもりはない。この世界はあまりに汚い。北の湖理事長は最高に律義な人です」と述べ、今回の解雇処分に憤りをあらわにした。また、辞任した日本相撲協会・北の湖理事長や、大嶽親方をかばう姿勢を見せた
◆2008年9月8日 (産経新聞より抜粋)
大相撲界の大麻汚染問題で、日本相撲協会から解雇された元小結露鵬(28)の(本名・ボラーゾフ・ソスラン、ロシア出身)の代理人の塩谷安男弁護士は8日、東京都江東区の大嶽部屋前で会見し、露鵬が「やっていない。(解雇は)絶対に納得できない。再発防止検討委員会から説明を聞きたい」と興奮気味に繰り返し話したことを明かした。
塩谷弁護士は親方を交えて約30分会談。解雇処分を受け動揺する露鵬に対し、大嶽親方(元関脇貴闘力)は「ごめんな、おれはもうお前を助けられない」と話した。露鵬は「わかってます、わかってます」と答えていたという。
法的措置については「露鵬が冷静になってから話し合いたい」と結論を先延ばししたが、「本人は法的措置を取りたいとの意向」と説明した。結論は来週初めまでに出す予定という。
(注)塩谷弁護士は記者会見を2回実施。これは、親方を交えて露鵬に面会した後の2回目の会見の内容
◆2008年9月12日 (デイリースポーツより抜粋)
元幕内露鵬の弁護士を務める塩谷安男氏(58)が11日、東京都中央区の元露鵬の自宅近くの公園で会見し、露鵬が6月のロサンゼルス巡業で大麻を吸引した事実を否定した。今後、解雇処分の撤回を求めて提訴を辞さない方針を打ち出した。
露鵬の自宅で約1時間30分、本人と会談した塩谷弁護士は「大麻は吸っていないと言っている。ロス巡業のことは検査後に5人の親方に囲まれて言わされたと言っている。詰(きつ)問と換言があった」と断言した。
また、大麻吸引検査の基準値となる数値に関して疑問を呈し、13日にも再発防止検討委員会に質問状を提出する意向を示した。「基準値の5倍から10倍と言うが、その基準が分からない」と話した。12日に都内で露鵬、白露山と塩谷弁護士の3人で会見する。
◆2008年9月13日 (時事通信より抜粋)
大麻の尿検査で陽性反応が出て日本相撲協会を解雇された露鵬、白露山の元両力士が13日、同協会に検査手順などについての質問状をファクスで送付した。元両力士は8日にも同様の質問状を出しており、今回が2通目。
2人は12日に記者会見し、「解雇は認めない。大麻は吸っていない」などと処分の不当性を訴えていた。相撲協会は再発防止検討委員会の大西祥平委員(慶大スポーツ医学研究センター教授)と相談の上、今後の対応を決める。
◆2008年9月14日 (スポーツ報知より抜粋)
尿検査で大麻の陽性反応が出て、日本相撲協会を解雇されたロシア出身の元露鵬(28)、元白露山(26)の代理人を務める塩谷安男弁護士(58)が13日、協会へ尿検査の手続きなどについての質問状を送り、簡易検査で当初、陽性を示しながら最終的に陰性とされた日本人力士がいたことを指摘した。
この日本人力士は、2日に行われた簡易検査で2度目まで陽性反応が出たが、3度目に陰性を示した。検査に立ち会った日本アンチドーピング機構の大西祥平専門委員は、3日の時点でこの日本人力士について「2度目まで陽性反応が出ましたが、3度目で陰性が出たので精密検査の必要性はない」と説明している。
若ノ鵬大麻所持事件報道と経過
◆2008年8月18日 (産経新聞より抜粋)
大麻成分を含んだたばこを持っていたとして、警視庁は18日、大麻取締法違反(所持)の疑いで、ロシア国籍で大相撲間垣部屋の幕内力士、若ノ鵬寿則(としのり)容疑者(20)(本名・ガグロエフ・ソスラン)を逮捕した。警視庁は名古屋場所とそれに続く巡業を終えて自宅に帰ってきた力士の身柄を押さえ、自宅と間垣部屋を捜索。たばこの入手先などを追及する。
調べでは、ガグロエフ容疑者は19歳だった6月24日午後1時ごろ、墨田区錦糸の路上で、大麻成分を含む乾燥植物片約0・368グラムを所持した疑い。ガグロエフ容疑者が落とした財布の中にあったロシア製たばこに、大麻成分を含んだ植物片が入っていた。「六本木で外国人からもらった」などと容疑を認めており、自宅からは大麻の吸引具も押収された。
ガグロエフ容疑者は、2代目若乃花が創設した間垣部屋に入門し、平成17年3月場所で初土俵。今年7月の名古屋場所では前頭筆頭だったが負け越した。五月場所中には、敗戦の悔しさから支度部屋の風呂場の棚板をひじ打ちして壊したとして、日本相撲協会の執行部から厳重注意を受けている。
◆2008年8月18日 (時事通信より抜粋)
大相撲の幕内若ノ鵬(20)が大麻取締法違反容疑で逮捕された事件で、北の湖理事長(元横綱)は18日夜、東京・両国国技館で記者会見し「若ノ鵬が逮捕されたことは一社会人、一力士としてあってはならないこと。ファンの皆さんには申し訳なく残念」と謝罪した。
理事長は冒頭で若ノ鵬の実名を発表。「事件発生時は未成年であっても幕内の関取。重く受け止めなければならない」と説明した。近く開く理事会で処分を検討するとした上で「厳正に対応しなければならない」と述べた。
自らの責任については「こういうことのないようにしていくのがわたしの責任」としたが、同協会は時津風部屋で起きた力士死亡事件を受け、再発防止策をまとめたばかり。しかも、現役関取の逮捕という前例のない不祥事とあって、深々と頭を下げ「ショックであり、残念でならない」と絞り出すように話した。
◆2008年8月19日 (産経新聞より抜粋)
大麻成分を含んだたばこを所持していたとして、若ノ鵬容疑者(20)が逮捕された事件で、警視庁が間垣部屋にある若ノ鵬容疑者の個室から大麻の吸引器具を押収したことが19日、分かった。
また、自宅から微量の大麻が付いた袋を押収していたことも判明。同課は若ノ鵬容疑者の自宅からも吸引器具を押収しており、自宅や部屋で大麻を吸っていた疑いがあるとみて調べる。また、同容疑者の日ごろの様子などについて、間垣親方ら部屋の関係者からも参考人として事情を聴く方針。
◆2008年8月19日 (産経新聞より抜粋)
大相撲の幕内若ノ鵬が大麻取締法違反容疑で逮捕された事件で、師匠の間垣親方(元横綱2代目若乃花)は19日、東京・両国国技館を訪れ、北の湖理事長(元横綱北の湖)に謝罪するとともに、若ノ鵬と自身の処分を理事会に一任した。理事会は21日に開かれる。
間垣親方は報道陣に対し、「理事長には『ご迷惑をおかけしました』といいました」と明かした。親方は弟子を破門する権限を持つが、若ノ鵬の処分については「理事会にお任せします」。監督不行届による自身の責任問題に関しても「理事会に一任します」と述べるにとどまった。
◆2008年8月19日 (時事通信より抜粋)
日本相撲協会は19日、大麻所持の疑いで逮捕された幕内若ノ鵬(20)と同じロシア出身の力士がいる北の湖、大嶽、阿武松、三保ケ関の4部屋を訪ね、若ノ鵬との交友関係などをただした。5力士全員が自らの大麻所持・吸引は否定したという。間垣部屋については、20日にもほかの力士全員から事情を聴く。
再発防止検討委員会の友綱副委員長(元関脇魁輝)、秀ノ山委員(元関脇長谷川)によると、先輩格の幕内露鵬は「若ノ鵬には(態度などを)何度も注意してきたが、大麻について疑いを感じたことはなかった」などと答えたという。
◆2008年8月20日 (産経新聞より抜粋)
若ノ鵬の大麻所持 付け人「気付かなかった」
大相撲の幕内若ノ鵬が大麻取締法違反容疑で逮捕された事件で、日本相撲協会の友綱(元関脇魁輝)、秀ノ山(元関脇長谷川)両親方は20日、東京都墨田区の間垣部屋を訪れ、若ノ鵬の付け人らから事情を聴いた。
主な聴取の対象は、若ノ鵬の身の回りの世話をしていた2人の付け人。付け人は若ノ鵬の自宅や部屋にある自室に出入りしていたが、「大麻を吸っていたことには気付かなかった。部屋に吸引器具があっても、どれだか分からない。ロシア人力士以外との交友関係は知らない」などと話したという。
19日に事情を聴いた若ノ鵬と同郷のロシア人力士に続き、間垣部屋の力士も大麻の所持や使用を否定。心配される角界内の薬物汚染について、友綱親方は「心配ないかなという気がしている」、秀ノ山親方は「これ以上はないと思う」とそれぞれ述べた。
◆2008年8月21日 (時事通信より抜粋)
大相撲の西前頭筆頭、若ノ鵬 ロシア出身、間垣部屋=が大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕された事件で、日本相撲協会は21日、臨時理事会を開き、同容疑者を同日付で解雇処分とした。
北の湖理事長(元横綱)は解雇理由を「本人も嫌疑を認めている」と説明した。師匠の間垣親方(元横綱2代目若乃花)については「監督不行き届きで責任を痛感している」として理事辞任の申し出があり、了承した。
相撲協会には、過去に現役力士が理事会の議決による解雇処分を受けた記録はないという。解雇後は大相撲界に戻ることはできない。理事の辞任も初めて。
◆2008年8月21日 (時事通信より抜粋)
日本相撲協会は21日の臨時理事会で、大麻所持容疑で逮捕された幕内若ノ鵬(20)の解雇を決めた。師匠の間垣親方(55)=元横綱2代目若乃花=が出した理事辞任願も了承、同親方は1998年から就いていた理事から委員に降格し、大阪場所部長の職も解かれた。
記者会見した北の湖理事長(元横綱)は、事件について「あってはならないことで本当に残念」と述べた上で、間垣親方の辞任を「自分から辞するのは大変な決意。重く受け止めている」として、これ以上の責任を問わないという。
同席した間垣親方は「監督不行き届きで大変申し訳ない」と謝罪。若ノ鵬が師匠に無断で相撲部屋内の個室とは別にマンションを借りて生活していたことも、「知らないでは済まないが、知らなかった」と語り、指導不足を認めた。
再発防止に向けては、生活指導部の伊勢ノ海部長(元関脇藤ノ川)が、外国人力士の指導を徹底するための新たな対策を講じる考えを示した。
◆2008年8月22日 (産経新聞より抜粋)
大麻所持容疑による逮捕で、日本相撲協会は若ノ鵬を解雇した。角界のルールブックである「寄付行為」によると、親方や力士の処分を重い順に解雇、番付降下、出場停止、給与減額、譴責(けんせき)と定めているが、現役の関取(十両以上)として初めて逮捕された若ノ鵬の解雇は当然だ。
師匠の間垣親方(元横綱二代目若乃花)の理事辞任も解雇に次ぐ番付降下にあたり、角界の常識では妥当といえる。北の湖理事長(元横綱北の湖)も、間垣親方の辞任に関して「自分から職を辞するのは大変なことで重く受け止めている」と説明した。
ただ、世間一般でいえば違和感がある。昨年、関東学院大学ラグビー部の大麻吸引問題では春口広監督が辞任。ラグビー部も長期活動停止となった。一般企業などでも、同様のことが起きれば幹部が何らかの処分を受けるだろう。
それに対し、間垣親方の自主的な理事辞任だけでは「軽い」との印象はぬぐえない。傷害致死事件で前時津風親方の解雇を決めた昨年10月の理事会では理事、監事、役員待遇親方も減俸となったが、今回は幹部へのおとがめはなし。北の湖理事長も「二度と起こさないようにするのが私の責任」と述べるにとどまった。
◆2008年8月29日 (毎日新聞より抜粋)
日本相撲協会の再発防止検討委員会が29日、東京・両国国技館内であり、元幕内・若ノ鵬(21日に解雇)による大麻取締法違反事件を受け、抜き打ちでの尿検査実施を検討する方針を決めた。
力士の麻薬使用を防止するための抑止力としての効果も狙っており、伊勢ノ海委員長(元関脇・藤ノ川)は「早期に前向きに検討したい」と話した。
協会は、年内に力士を対象としたドーピング検査の試験実施を決めているが、尿検査はこれとは別に実施する方針。再発防止委の外部委員で、協会アンチ・ドーピング委員も務める大西祥平・慶大教授は「簡易の尿検査ならドーピング検査に比べ費用もかからない。実現するのであれば全力士を対象にしたい」と述べた。
また、若ノ鵬が在籍した間垣部屋については、指導態勢などを再検討するように同部屋が所属する二所ノ関一門に要請した
◆2008年8月29日 (日刊スポーツより抜粋)
大麻所持容疑で逮捕された元前頭若ノ鵬の師匠、間垣親方(元横綱2代目若乃花)が29日、部屋の立て直しに向けた同じ二所ノ関一門からのサポートの申し出を断った。
この日、東京・両国国技館で再発防止検討委員会が行われ、各委員から「師匠が病気療養中の間垣部屋は指導者不在の状況にある。在り方を考えるべき」との声が噴出。伊勢ノ海委員長(元関脇藤ノ川)は、同一門の秀ノ山副委員長(元関脇長谷川)に「一門で話し合いを持ってほしい」と指示。秀ノ山副委員長は会議後、すぐに同親方と連絡を取ったが、同親方は「自分の部屋は自分で見るから大丈夫」と言い、電話を切ったという。
◆2008年9月8日 (読売新聞より抜粋)
大相撲の元幕内力士・若ノ鵬で、ロシア人のガグロエフ・ソスラン容疑者(20)(解雇)が大麻取締法違反容疑で逮捕された事件で、東京地検は8日、ガグロエフ容疑者を処分保留で釈放した。
調べに対し、「六本木で外国人から買った」と容疑を認めており、所持量も微量だったことから、不起訴(起訴猶予)になる見通し。
ガグロエフ容疑者は今年6月24日、東京都墨田区錦糸1の路上で落とした財布の中に、大麻成分を含むロシア製の紙巻きたばこ1本を所持していた疑いで、警視庁に先月18日、逮捕されていた。
◆2008年9月10日 (デイリースポーツより抜粋)
大麻取締法違反(所持)で逮捕され、日本相撲協会を解雇された元幕内若ノ鵬のガグロエフ・ソスラン容疑者(20)が9日、両国国技館を訪れ、武蔵川理事長らに謝罪と角界復帰を申し入れた。
協会のルールを定める寄付行為施行細則には「解雇したものは再び協会に帰属することができない」との条文があり、武蔵川理事長に「無理です」と却下された。8日には間垣部屋を訪れたが、元師匠の間垣親方(元横綱2代目若乃花)は不在で、関係者から「部屋には来ないように」と告げられたという。
実際に訴訟に踏み切るかどうかは「迷惑を掛けたので本人も悩んでいる」(同弁護士)ため未定。元若ノ鵬は「戻りたいです。許してください。まげは切るつもりはないです」と力なく話した。
◆2008年9月11日 (産経新聞より抜粋)
大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕され、8日に処分保留で釈放された大相撲の元幕内力士、若ノ鵬(20)が11日、日本相撲協会から解雇されたことを不服として、力士としての地位確認などを求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、元若ノ鵬は平成17年、力士として、同協会に雇用された。今年8月18日、大麻を所持していたとして逮捕され、同月21日に解雇された。
元若ノ鵬側は「協会の過去の処分例で、私生活上の犯罪行為で解雇した例は皆無。時津風部屋の力士による傷害致死事件でも出場停止にしているだけ。他の事例と比べても極めて厳しい処分で、協会の権利の乱用に当たる」と訴えている。